マイクロバイオームとは人体に住む微生物相のこと。例えば腸内細菌など、人の健康に大きくかかわっているとこは知られています。人体にはさまざまな微生物が共生しています。
生殖器(膣、胎盤、卵管など)には生殖器独自の微生物が共生しています。それらの微生物が生殖機能にどのような影響を及ぼすのか、研究が進んでいます。
今回は膣に常在するマイクロバイオームについてのレポートです。
体外受精などで用いるホルモンが子宮内膜、卵管、子宮頚部、膣のマイクロバイオームに与える影響について書いています。これらのマイクロバイオームのコロニー形成は体外受精の成功率を左右するといわれています。
例えば、膣はラクトバシラス属から構成される様々な菌集団、デーデルライン (Döderlein) 桿菌によって膣内のpHが酸性に保たれ、他の病原細菌の侵入増殖を阻害しています。すなわち、膣の自浄作用や生体バリヤーとしての役割をはたしています。
しかし、ホルモン剤の服用によって、最適な状態に保建ている状態が崩れてしまうケースも起こり得ます。
例えば、こんな研究発表をしてます。移植時のカテーテルからH2O2を産生するデーデルライン桿菌が採取されると、生産率が高かく、逆に連鎖球菌の一種 Streptococcus viridans が採取されると低下すると。
いずれにしても、ホルモンの変化は生殖器で繁殖する多種多様な微生物に様々な影響を与えることが分ってきています。この微生物のコロニー発現や生息状況を観察することで、それが妊娠にどのように影響を与えるのか、これからの研究を期待したいです。
最近ミトコンドリアが注目を集めていますが、ミトコンドリアも独自のDNAを持ち、私たちの体内で分裂増殖しています。
私たちのカラダには様々な生命体が共存していることがわかります。
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