凍結胚移植と新鮮胚移植、どちらが本当に良いか?

論文解説

本文献は新鮮胚移植と凍結融解胚移植について後者が優れるという報告が多いなか、それを覆す結果を示す論文である。

Abnormal implantation after fresh and frozen invitro fertilization cycles.
2017 May;107(5):1153-1158. doi: 10.1016/j.fertnstert.2017.03.012. Epub 2017 Apr 19.

「新鮮胚移植と凍結融解胚移植後の異常着床の比較」 

異常着床の定義をbiochemical pregnancy(化学妊娠), ectopic/heterotopic pregnancy(異所性妊娠・子宮外妊娠), and first-trimester pregnancy loss (初期流産)とする。

Society for Assisted Reproductive Technologies の2004-2013 年のIVF周期 データをもとに、陽性反応がでた509,938周期の後ろ向き解析。

結果は妊娠反応陽性症例の31.8%に異常着床妊娠が見られた。異常着床リスクは新鮮胚盤胞移植に比べて、新鮮初期胚移植では22%、凍結融解胚盤胞移植で36%、凍結融解初期胚移植で57%と高かった。新鮮胚盤胞移植の異常着床妊娠リスクが最も低かったが、子宮外妊娠・異所性妊娠の割合が最も高かった。

この文献では最後にすべての周期において、胚凍結することに警鐘を鳴らしてます。

結局、何を基準にするかによって、凍結したほうが良いのか、新鮮胚移植をしたほうがよいのか、若しくは胚盤胞まで培養したほうがよいかは、ケースバイケースであると思います。

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