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乳牛の繁殖障害と人の生殖障害を考える

嶺南家畜保健衛生センターの河合 隆一郎氏による『れいなんET通信』の内容をシェアしたいと思います。ETとはおそらく Embryo Transfer(移植) の略かと思われます。内容は主に乳牛の受胎率向上と繁殖障害について書いてあります。

以下抜粋 >>>

● 繁殖障害治療の考え方
性周期は、視床下部、下垂体、性腺を軸としたホルモン支配により営まれています。このホルモン系統が撹乱した場合、その乱れを改善するためにホルモン療法を行うことがあります。ホルモン療法は、ホルモン投与をきっかけとして、再び視床下部、下垂体、性腺系に正常な活動を再開させることが目的です。ホルモン投与を行っても、それに続く反応を起こすだけの体力がない牛では、全然効果がありません。繁殖障害治療の考え方の基本は、繁殖障害につながる要因を改善し、治療に反応できるだけの体力をつけてやるということになります。それをやらずしては、いかなる治療を行っても、効果があらわれません。
通信の中で、ホルモンの分泌異常やストレスを繁殖障害の要因と上げています。

● 性ホルモンの特質
血糖値、血中カルシウムイオン濃度、ナトリウムイオン濃度などを調節するホルモンは、 生命に直接関係するので、簡単なことでは、分泌異常がおきません。しかし、性に関係するホルモンは、体の調子が落ちてくると、簡単に分泌が低下します。子孫を残すよりも、 先ずは、自分の体の恒常性を保つことを優先するからです。ホルモンの分泌異常を無くするためには、牛体に性ホルモンを正常に分泌するだけの余力が必要だということです。

●ストレスと卵巣嚢腫の発生
生体には、気温の変動・微生物の出現・恐怖などがあっても、すぐにはギブ・アップせずに、環境の変化に適応できる能力があります。しかし、生体の内面では多少なりとも、 疲れ、緊張、副腎皮質ホルモンの分泌などがおきています。一般にこれをストレス反応または単にストレスと言っています。ストレスは家畜の生産活動や病気に対する抵抗力を低下させます。また繁殖面では、排卵を抑制する方向に作用するので、卵巣嚢腫の発生との関係が指摘されています。家畜のストレスの因子には、暑熱、寒冷、疼痛、劣悪な舎内環境、飼料、分娩など多数あります。

以上 >>>

乳牛は現在はすべて人工授精、もしくは体外受精にて受胎しています。家畜で起こっている受胎率の低下はまさしく、生殖医療を受ける人にも当てはまる部分は大いにあるのではないでしょうか?

先日、当院の患者様の治療考察を自然妊娠とカラダの余裕で書き終えたばかりでした。完全に管理された乳牛においても、人と同じ哺乳類ですから、参考にすべき点が多々あるのだな思いながら、読ませていただきました。

逆に、完全に管理されているからこそ、改善すべき点も見つけやすいと思います。飼料の工夫(ビタミン・ミネラル、にんにくなどの特選素材の添加)により繁殖障害・受胎率向上・搾乳増量を目指してもいます。人においては、食事を管理するのは難しいですが、管理栄養士の力も借りて、生活習慣の見直しプログラムも充実させていきたいと考えています。

参考にしていただければ幸いです。

アキュラ鍼灸院 院長 徐 大兼

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