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このページの内容は,学校法人後藤学園(東京・神奈川衛生学園専門学校) 学校長・後藤修司 (URL http://www.lifence.ac.jp/)の現代のはりきゅうFAQより抜粋しました
はりきゅう治療って何だか古くさい?
みなさんにも経験があると思いますが、頭が痛かったりおなかが痛くなったとき、無意識にこめかみを強く押したり、おなかをさすったりすることがありませんか?はりきゅう治療の始まりはこの手を当てる、つまり「手当て」から始まったと言っても過言ではありませんから、人類誕生と共にあったともいえます。中国では、約3千年前から行われていましたし、日本でも約1200年程前から行われているので、日本における現代医学の130年の歴史と比べてみても、古いと言えば確かに古いのです。
しかし、今、世界、特に欧米でのはりきゅう治療への関心と期待は最近益々高まっています。Acupuncture(鍼)をキーワードに、全米有力国内紙6社(USA Today、New York Times、Los Angeles Times、Washington Post, Wall Street Journal、Chirstian Science Monitor)の本年の報道件数をデータベースで調べてみると、860件ありました。実に、毎日アメリカの2~3種類の新聞に、はり治療や東洋医学に関する記事が載っていたことになります。 内容は、痛み疾患、エイズや癌、薬物依存症、痴呆症、脳血管障害、心臓疾患、アレルギー等の治療方法としての可能性や予防医学としての可能性、高騰する医療費の適正化への可能性、東洋哲学への関心等々です。 また日本でも、今、若いスポーツ選手の多くがはり治療を受けています。サッカー、水泳、テニス、ゴルフ、陸上競技、バレーボールなどほとんどの分野で行われています。したがって、古くて新しい医療であると言えるでしょう。
東洋医学とは
私達の身の回りには、はりきゅう治療の背景になっている東洋医学(哲学)の考え方が沢山あふれています。気が合う友達、気が晴れる、無邪気な子ども、陽気がいい、元気にがんばる、気合いを入れる、気が散る等々。これらは、東洋医学の一つの基礎概念である、「気」の思想からきています。「気」というのは、生命エネルギーと考えてもらえば良いと思います。この「気」が全身をめぐり生命を保っていると考えます。
従って、このめぐりが悪くなると病気になると考えます。その滞りや詰まりを調整する場所がツボ(経穴)です。また、「人間は自然と共に在る」「体のバランスこそ重要」「心と体は一体であるという全人的思想」などを基本的考え方として成立している経験的伝統的医学です。
はりきゅう治療の特質とは
はりきゅう治療は、経験の積み重ねが伝承されてきた医学です。
化学薬品等によって攻撃的に病気と闘う現代医学とは異なり、人間が本来持っている自然治癒力(病気やけがを治そうとする力)を活性化し、ホメオスタシス(生体恒常性保持機能・体の状態を一定に保とうとする機能)を働かせることにより、病気の治療にあたるソフトな医療です。また、薬でよく言われる副作用といったものがほとんど見られない、体にやさしい医療とも言えます。
はりは痛い?きゅうは熱い
はりは痛くないし衛生的です。はり治療に用いられる「はり」は、一般的には、直径約0、2ミリと毛髪程度の太さしかありませんし、習熟した技術により、刺すというよりもトントンとたたくようにして、瞬間的に皮膚を通過させてしまうので、ほとんど痛みはありません。
また、病原菌などの感染防止のため、はりはすべてディスポ-ザブル(使い捨て)を使用し、はりを行う部位や手指の消毒をしっかり行いますので衛生的です。きゅうも最近は間接きゅうといって、直接皮膚の上に行わない方法がほとんどですので、熱いというよりは、暖かくて気持ちが良いほどです。
はり治療の現代科学的効果は
今まで述べてきたように非常に注目をされているはりきゅう治療ですので、科学的な研究解明が、特に1970年以降、急速に増えました。日本の大学や研究機関ばかりではなく、欧米でも盛んに進められています。 以下に簡単にまとめてみますと:
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体の細部にわたって、血液等の流れを促進して疲労の早期回復、各細胞への酸素や栄養分の供給を良くする
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自律神経系の機能を調整して、内臓の働きを整えたり、血圧を整えたりする
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免疫能力の活性化をはかり、病気にかかりにくい体や病気やけがに打ち勝っていく体をつくっていく鎮痛作用により、慢性や急性の痛みを取り除いたり・緩和する
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筋肉の緊張を緩めて、肩こりの解消やリラクセ-ション効果を得る
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不定愁訴(様々な症状)が改善される等が解明或いは解明されつつあります。
はりきゅう(師)の法律的根拠と現状は
昭和22年12月20日交付・法律217・第1条に「医師以外の者で、あん摩、マッサージ若しくは指圧、はり又はきゆうを業としようとする者は、それぞれ、あん摩マッサージ指圧師免許、はり師免許又はきゅう師免許を受けなければならない」と規定されており、その免許の性格は、いわゆる身分免許であり業務の独占・名称の独占を有している。つまり、医師と「はりきゅう師」だけが、はりきゅう治療を行えることになっています。
平成2年国勢調査に基づく職業小分類就業者数及び平成6年衛生行政業務報告より推測すると、「はりきゅう師」及びあん摩マッサージ指圧師の従事者数は約8万人とされ、その内、「はりきゅう師」は約3万人程度と推測されます。就業場所や就業・形態についての詳細な資料はありませんが、開業自営・はりきゅう院勤務・病医院勤務・教育研究機関勤務等がその主なものであると思われます。
教育制度は、現在は大きく三つの系統に分類できます。それは、文部省所管の盲学校における視力障害者の職業教育としてが一つ、大学(含む短大)、そして、厚生省所管の「はりきゅう師」養成施設(大半が専門学校)です。毎年約2500人程度が卒業しています。当然高校卒業以上が入学資格となっています。
これらの学校には3年間で「はりきゅう師」の受験資格のみを得るコースと、同時にあん摩マッサージ指圧師の受験資格を得るコースの2つがあります。いずれを卒業しても、国家試験を受験し、合格後免許の申請を行うシステムになっています。これらの体系は昭和63年の法律改正を受けて、平成2年より施行されています。「はりきゅう師」になるために、3年間に履修しなければならない科目と時間数は次の通りです:
基礎科目として、人文科学(2科目)、社会科学(2科目)、自然科学(2科目)、保健体育、外国語を各60時間、内容は各学校に委ねられています。専門科目としては、(医療概論(45時間、以下数字のみを記す)衛生学公衆衛生学(90)・関係法規(45)解剖学(210)・生理学(165)・病理学概論(75)・臨床医学総論(105)・臨床医学各論(195)・リハビリテーション医学(75)・東洋医学概論(135)・経絡経穴概論(105)・はりきゅう理論(90)・東洋医学臨床論(90)・実技実習(840)・選択科目(300)
以上合計2865時間です。つまり、ベースとして科学や現代医学をしっかり学び、更に東洋医学の専門を学ぶシステムになっています。
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