鍼灸治療で痔を克服、、、最後までお読みいただければ幸いです。最後の方に鍼灸治療がどのようにして、痔の克服に役立つのか、書かせていただきました。
Q.痔になる原因は何ですか?
A.痔疾患の中で最も多い「痔核(イボ痔)」は肛門に出来た血管のこぶ、「静脈瘤」が正体
です。静脈瘤の発生の原因は、長時間立っちっぱなしや座りっぱなしになっている時に
内臓から肛門にかかる重みです。下肢の皮下に良く見られる静脈瘤も発生する原因は
同じです。同様に、妊娠時の胎児による圧迫、慢性的な便秘でも起こりやすいです。
Q.よく「イボ痔」などと呼ぶのは、本当のイボではないのですね。
A.はい。痔静脈は、門脈(もんみゃく*)と呼ばれる肝臓へ流れ込む静脈の一つです。門脈
には逆流を防ぐための静脈弁が無く、肝臓の働きが悪くなったり、妊娠時のように恒常
的に圧力がかかったりして血流が悪くなると、結果的に肛門周辺の血流の圧が高まり
うっ血して痔静脈がブクーッとコブのように膨らみます。これがイボ痔の素なのです。
(*門脈=胃、小腸、大腸、胆嚢、膵臓、脾臓の血管が肝臓で集まって作る静脈管)
-門脈系の仕組み-
そして発症する場所によって内痔核、外痔核と呼び方が変わります。内痔核はよく出血
を伴いますが痛みはほとんどありません。症状が進み、場合によっては肛門外に脱出
する「脱肛」を起こすこともあります。外痔核の場合は痛みが強く出ますが出血はほとん
どありません。
Q.「きれ痔」はイボ痔とどう違うのですか?
A.きれ痔は「裂肛」と呼ばれ、まさに肛門管が裂けて起こります。便秘により便が固くな
り、その固い便を無理に出そうとする際に、肛門管の上皮が強引に伸展されることによ
って裂けてしまうのです。女性に多く、主に後方(お尻側)正中部に発生します。きれ痔の
症状は、強い痛みです。特に排便時に最も痛みを強く感じ、排便後もしばらく痛みが残
ります。これに感染が加わると慢性の「肛門潰瘍」になります。潰瘍が慢性化すると、肛
門管が潰瘍のせいで狭くなり、ますます便秘になりやすくなります。また潰瘍の過程によ
っては、「痔瘻」を引き起こす原因になることもあります。
Q.「痔瘻(じろう)」について教えてください。
A.「瘻」の意味は〔体内の器官と器官、あるいは体内の器官と体表との間にできた管のよ
うな通路。炎症性の疾患によって生じる。〕とあります。(三省堂『大辞林』より参照)
「痔瘻」は肛門管や肛門周囲の皮膚に瘻孔を生じる疾患で、肛門管から周辺の外肛門
括約筋などを突き破り、肛門の周囲に達した穴から膿を排出して、下着を汚すほどにな
ることもあります。排膿されずにいると化膿性炎症が広がり、激しい痛みや腫れ、発熱
なども起こります。慢性化が進むと、硬いシコリができて、鈍痛や異物感をずっと感じる
ようになります。
Q.なぜ起こるのですか?
A.原因のほとんどは大腸菌などによる細菌感染です。肛門小窩に汚物が溜まり、大腸
菌が肛門腺管へと侵入しそこで化膿して「肛門周囲膿瘍」を起こします。膿が排膿され
れば楽にはなりますが、そこで完治しなければ、その跡が管状の通路になり、痔瘻にな
ります。男性の発生率が女性の約5倍といわれ、イボ痔・きれ痔が女性に多いのとは対
照的です。また、下痢がきっかけで引き起こされるのが特徴です。
Q.痔瘻は治りにくく、再発しやすいと言われますが、どうしてですか?
A.炎症により体内に出来た管状の通路=「瘻」を塞ぐことは非常に難しく、そのままにして
おくとその場所が感染の発生源になりやすいのです。そしてその場所から化膿性炎症を
繰り返し発症してしまうのです。一般的には投薬による治療は困難とされ、外科的手術
が勧められています。
Q.痔は鍼灸で治りますか?
A.痔核(イボ痔)、裂肛(きれ痔)、痔瘻(じろう)のなかでも、特に「痔核」および「裂肛」に
対して、鍼灸の効果が高く現れます。また痔瘻に対しても効果はありますが、慢性化し
ている場合には目覚しい効果は期待できないかもしれません。そのような場合は西洋
医学的所見を元に、適切な治療処置を検討します。
イボ痔の場合、主に血液の循環を良くする治療に重点をおき、静脈血管系と肝臓の負
担を減らす治療をします。頭部の「百会(ひゃくえ)」や前腕部の「孔最(こうさい)」、腹部
の「期門」、etc....の経穴を用いたりします。きれ痔は便秘が原因になりやすいので、腸の
運動を活発にして健康な状態にする治療をします。腹部の「天枢(てんすう)」や「大巨(だ
いこ)」、腰の「大腸兪(だいちょうゆ)」や「上髎(じょうりょう)」、etc...の経穴を用いたりし
ます。痔瘻は、まず下痢を治め、そして炎症を起こしやすくしている体内の環境を整える
ための治療をします。足の「足三里(あしさんり)」や「陰陵泉(いんりょうせん)」「商丘(し
ょうきゅう)」、上肢の「尺沢(しゃくたく)」「合谷(ごうこく)」、etc...の経穴を用いたりします。
ただし、かなり大きなイボ痔だったり、脱肛がひどかったり、深刻な炎症や排膿を繰り返
し引き起こす場合は、提携病院をお勧めする事があります。
いずれにせよ、鍼灸治療は痔に対して、著効を示すことが多いですので、是非試される
ことをお勧めします。
アキュラ鍼灸院 東京都渋谷区 青山・表参道